好きor嫌い?

好きだっていってくれないんだ・・・?」
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 「ゴーンv大好きだよv」
いつものようにゴンの肩に手をかけながらにっこりと笑って俺は言う。
これはもう、毎朝の日課のようになってしまっている。
でも、その後に返ってくる答えは、いつも俺の望む形ではなかった。
 「・・・うん・・・」
いつも、ただ俺の好きだという言葉を肯定するだけの言葉が返ってくるのみだった。

(・・・・・ゴンは俺のことどう思っているんだろう・・・・・)
 ふと、そんなことを思うのは珍しいことではなく、考え出すと決まってキリキリと腹が痛む。
俺が、こんなにも気に病んでしまうのはゴンだけだっていうのに。
(本当にゴンはどう思っているのかな・・・・・俺のこと。)
 でも、そう思っていても笑顔の奥に隠してしまう。
だって、本当の答えを聞くことが怖いから。
知ったことによる変化が怖いんだ。
だから、いつも冗談めかして好きだよっていうのかもしれない。

 でも、怖いという感情よりもやっぱりどう思っているのかが知りたいんだ・・・・。


 その日も、ゴンに「大好きだよ」って何百回目かの告白をした。
でも、やはり答えは「・・・うん」だけ。
「・・・・・・・・・ゴン、どうして好きだって言ってくれないんだ・・・?」
「・・・・・・・・・もしかして、俺のこと何とも思っていないから・・・?」
 自分で言ったのに顔が悲しみで引きつるような気がした。
「・・・・がぅ・・・・」
ぼそっと何かがゴンの小さな唇から聞こえた。
「・・・・え?」
ぎゅっと、俺の袖のすそを掴んだと思うと、ゴンは今にも泣きそうな表情をしていたんだ。
「違う・・・・・・!!・・・・・き・嫌いなんかじゃない。何とも思ってないわけでもない・・・・!!!」
ゴンは顔を赤らめ、目に涙をいっぱいためて俺の言葉を否定した。
 自分の心音にすべての音が聞こえないような錯覚を感じながらも、次の言葉が知りたくてせかしていた。
「・・・・じゃあ、好き・・・・?」
俺がそう俯いてしまったゴンの下から覗き込み、頬に手を当てながら訊ねると、真っ赤な頬をさらに赤くさせて頷いた。
「へへへへ・・・v」
嬉しくって嬉しくって、自然と笑みがこぼれてしまい、ゴンの体を無意識のうちにぎゅっと抱きしめていた。
「うわ・・・・っ///」
ゴンが困ったような照れたような表情をしていてめちゃくちゃかわいい・・・・。
「・・・てかさ、なら俺が好きだって何百回も言ってるのに一回も答えてくれなかったんだよ・・?」
俺がそういうと、ゴンはぶーたれた表情をして言った。
「だってさ、だってさ、俺・・・・キルアみたいに好きだ好きだなんて恥ずかしくて、なかなか言えなかったんだもん。好きだって言ってもらっても照れちゃって、うんしかいえないもん!」
ゴンはほっぺを膨らませてそう言った。
「でもさ、俺ゴンに好きだって言ってほしいんだけど・・・?」
「う・・・・」
「俺が言う十分の一でいいから俺のこと好きって言って・・・?それだけで幸せだから」
「・・・き」
本当に真っ赤になったかと思うと、ぼそっと声が聞こえた。
「ゴン・・・聞こえない。もう一回言って?」
「好き・・・・好きだよ」
 その時、俺のこれまでの告白が報われたような気がした・・・・・・。

END